以前、当ブログにて地震の数理的なモデルに関して記述しましたが、その中に書いてあります「グーテンベルグリヒター則」と「大森の公式」で簡単に解析をする事ができます。それぞれの説明はそれを読んでもらうことにして、今回は気象庁のホームページから震度1以上を観測した地震に関するデータを取り出して、それを使って解析してみようと思います。以下、厳密にはおかしな所もあると思いますが、おおざっぱな傾向が分かればよい、位のものですのでご容赦を。
さて、今回使ったデータは気象庁の発表した速報データで、3月11日14時46分のマグニチュード9.0の地震から、4月12日午前4時43分のマグニチュード4.2のものまでです。このデータには余震ではないと思われる、九州や沖縄、関西などのデータも含まれていますが、手作業でそれらを除きました。
このデータから地震のマグニチュードごとの頻度(起きた地震の回数)をプロットしたのが下の図です。
緑色の棒グラフがグーテンベルグリヒター則から導出される地震のマグニチュードの頻度分布の関数です。横軸が地震のマグニチュード、縦軸が起きた回数です。今回はM5付近とM9でフィットするような関数を用いました。このグラフのM7〜M8付近を拡大したのが下の図です。
このグラフを見ると、M7.0辺りやM8.0辺りの頻度がグーテンベルグリヒター則から予想される回数に比べ、はるかに少ない事がわかります。グーテンベルグリヒター則は長時間経った時の統計分布ですので、まだM7.0やM8.0程度の余震の回数が足りない、つまり今度引き起こされる可能性が高い事を示していると考えられます。さて、それではこの余震は今後どのように起きるのかという予想をしてみましょう。今度は地震の余震に関する大森の公式を用います。これも以前説明しましたが、大きな地震が起きてからの経過日数と単位時間あたりの余震の回数を記述する式です。3/11からに経過日数でそれぞれの日毎の余震回数をプロットしてみると以下のようになります。
以上から今後の余震活動について推論すると、余震はあと1年ほど続き、M7-M8クラスの地震が数回起きてもおかしくない、という事になると思われます。まぁ大雑把な解析ですので、厳密な話はできませんが、これからもしばらくは大きな地震に注意した方が良さそうです。